決勝審査員紹介

 

決勝で審査いただくゲスト審査員のご紹介です。この方たちの他にも、会場の一般参加者・ギャラリー(見学)参加者の中から数名審査員に加わっていただく予定です。

 

パトリシア・モゲル

PATRICIA MOGUEL

 

メキシコの生態学者。森林農法研究者として多くの先住民コーヒー生産者グループのアドバイザーを務めている。メキシコ内外のさまざまな大学や教育機関で研究を行いミチョアカン大学、イベロアメリカーナ大学、ラテンアメリカ大学教授を経て、現在は主に環境教育の指導者として大学や市民団体、NGO等でコース、ワークショップを担っている。

 

2018年、社会問題や環境問題に取り組むリーダーの育成や教育を行う目的で ECOFE(アートエコロジー文化センター)を設立。環境問題を軽視する者たちや大企業が支配するグローバル経済から「持続可能な社会、幸せで尊厳のある生き方をうみだす経済」へのシフトには、先住民族や祖先から授かった知恵や伝統から学ぶことが必要と考え、より多くの環境リーダーを生み出すことに力を注いでいる。(今年5月、夫のビクトル・トレドはメキシコの環境大臣に就任した)


シワコーン・オドチャオ(スウェ)

タイ/カレン族・レイジーマンファーム・リーダー

  

チェンマイから車で2時間、カレン族が暮らすノンタオ村にて、9人兄弟の6番目に生まれる。伝統的な知恵や地域の文化を学びながら育つ。父であり北部カレン族のカリスマ的リーダー、ジョニ・オドチャオとともに、森林保護活動や先住民族の権利闘争にも参加。その後、通信課程で修士号獲得。

2009年には、栃木県にあるアジア学院に9か月間短期留学。グローバル化問題の本質と土に根差して生きる循環的な農業技術について学ぶ。その時の経験から、共同体を中心とした小規模農業こそが世界の貧困を解決し、誰もが美しい人生を送ることができる持続可能な発展への道だと確信するようになった。

2011年、タイの巨大企業CPのコーン単一栽培プロジェクトが生態系やカレンの文化を破壊すると危機感を抱き、それに対抗するため森林農法(アグロフォレストリー)を軸とした「レイジーマンファーム」で、有機コーヒー栽培を始める。アジア学院での知見をもとに森林農法を村人に教え、カレンの伝統を生かしながら「地球のために、ゆっくりと」というスローガンを掲げ、コーヒーの栽培から精選、焙煎まで自ら行う。今年、自宅横にカフェを作り、コミュニティビジネスとして輸出まで行っている。


中村拓平

ウインドファームコーヒー焙煎士 / SCAJ認定コーヒーマイスター

 

1983年福岡生まれ。18歳の頃よりコーヒーの焙煎を学び始める。

20代から農村部、市街地、商店街など多様な地域のオーガニックカフェの経営に携わる。

 

南米の有機コーヒー生産農場を訪問したり、コーヒーに関する広い知識を学びながら、2017年に日本スペシャルティコーヒー協会が認定するコーヒーマイスターを取得。コーヒー教室や抽出講座を行っている。

 

有機食材を使った料理、天然酵母のパンやピザの手作りを得意とする。

時間がある時には、有機栽培カカオの焙煎からチョコレートまでつくる「手作りチョコレート教室」も開催している。


吉岡 淳

カフェスロー代表/元日本ユネスコ協会連盟事務局長

 

日本のスローカフェ運動の草分け。30年間にわたるユネスコ運動をへて、2001年にナマケモノ倶楽部の運動拠点としてカフェスローをオープン。以後「スローカフェ」の普及と人材育成にとりくむ。現在、スローカフェは、大阪、福岡、神戸、長野、横浜に展開。全国からカフェ視察や起業相談、取材が絶えない。

 

大学やカルチャーセンターでは、 「環境と身体」「平和教育」「人権論」「NPO論」 「ユネスコ世界遺産」等の講座を担当。著書に『カフェがつなぐ地域と世界』(自然食通信社)。ユネスコ時代の94年、当時事務局長だった吉岡さんは、奈良県の東大寺でボブ・ディラン、ボン・ジョヴィ、エルトンジョン、ジョニ・ミッチェル、X JAPANらを招待し、世界文化遺産救済イベントを企画した。このイベントは今もファンの間で語り草である。 


中村隆市

1955年福岡生まれ。株式会社ウインドファーム代表。有限会社有機コーヒー代表。23歳で山村に移住、無農薬で米と野菜をつくり、鶏を飼いながら有機農業の普及と環境保護運動に取り組む。87年 フェアトレード事業を開始。98年 コロンビアで開催された第1回 国際有機コーヒー会議にフェアトレードのモデルケースとして招聘され講演。その会議でパトリシア・モゲル氏の講演を聞き、森林農法の重要性を学んで以来、森林農法の普及に努める。2000年 ブラジルで有機コーヒー・フェアトレード国際会議を開催。同年ブラジル初のオーガニックカフェTerra Verdi を開店。04年 有機農業とフェアトレードを広めたことでブラジル・マッシャード市より名誉市民章受章10年 カルロスさんとのフェアトレードが絵本になる。環境=文化NGOナマケモノ倶楽部世話人。  

写真は、メキシコで森林農業を広めているトセパン協同組合を訪問したときに、奇跡的に手にとまったハチドリ。